山際澄夫のホームページ

栗山さんのレポート
こんばんは。
いつも大変お世話になっています。
本吉町を気にかけて頂いて、ありがとうございます。
6月11日〜13日、本吉に行ってまいりました。
11日にはアリーナの工藤さんにも無事冷蔵庫をお渡ししました。
志津川地区は4月にも訪れましたが、相変わらず中心部はひどいですね。
アリーナ近くのまたいで超えられそうな小川の両岸に広がる瓦礫を見て
こんな所にまで津波が到達したのかと驚くばかりでした。

松尾の避難所では、日大の酒谷教授ともお目にかかることが出来
少しお話に混ぜて頂きました。
その時にお伝え致しましたが、今最優先で心理的なケアを要するのは
家を失った被災者を支援している自宅被災者だと私は考えます。
復旧・復興が長引いて被災者の心は相当荒れています。
特に家を失った人とそうでない人との間には大きな溝があります。
その結果、同じ被災者なのに自宅被災者が家を失った人から度を越した
暴言をぶつけられるということもあるようです。
でも言われる側は『家、流されずに残っちゃってるから...』と
我慢せざるを得ない。被災地では誰もが被災者だということです。

今回、親戚に連れられて翌12日には震災以来初めて市街地まで
足を延ばしてみました。
本吉町を市内に向かって進むと観光名所となっている「岩井崎」という海岸が
あるのですが、その光景の凄惨さに衝撃を受けました。ショックすぎて気分が悪くなっ
たほどです。

あの日から時が止まったまま、何ひとつ手つかずのまま残っている箇所です。
新校舎の記念式典が済んだ午後、地震が起きてもう使えなくなった気仙沼向洋高校の校
舎。水産加工会社、津波に破壊された津波体験館。
そして墓地の入り口にはまるで墓石のフリーマーケット状態。

この光景が、被災地全てに広がっていたんだなと感じさせられる場所でした。
現在の本吉町ですが、小泉地区に暮らす親戚より
仮設に入った方から『ミシン、アイロン(勿論中古で)』のリクエストが多く
なんとか手配してもらえないかと相談されました。
様々あたってみたのですが、調達出来ずにいます。

それから虫の問題に関して。
本吉町では近隣に漁港があったという土地柄ではなく、
今のところ虫の発生、臭いの問題はおきていません。
ただ階上(はしかみ)、鹿折(ししおり)地区に関しては
腐った魚からウジが沸き、かなりの大きさに成長したハエが飛んでいて
大変な状態だと聞いています。
(階上を通過した際は、窓をきっちり閉めていたにも関わらず
かなりの臭さでした。問題なのは、地元住民がその悪臭に
慣れてしまっていることだと思います。マスクをし忘れると言ってました。
これからの時期、衛生面が心配です)

スプレーの殺虫剤、蚊取り線香、ハエ取りリボンが欲しいと頼まれ
ある程度の数を持参したのですが
あっという間に無くなったそうです。もう現地では入手が難しいそうで
今後もハエ取りリボン’←一番欲しいとのこと。)
を定期的に送る予定です。
知人が入居した仮設住宅にもお邪魔してみました。
一人暮らしは4畳半一部屋。
二人暮しは6畳と4畳半。そして台所にはかなり余裕を持たせた作りです。
いずれにしても、夏の暑さに耐えられるだろうかという簡素な作りでした。
隣の話し声も筒抜けです。

仮設に入ったから、終わりではないですね。
きっとこれから新しい問題が次々に出てくる気がします。
また思い出したことがあったらご報告させて頂きますので
よろしくお願い致します。

6月17日  栗山麻美
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