ボランティア

ボランティア報告記

 
仙台市在住の薬剤師、K様からのメールです。(4月26日)

大変お世話になっております。
仙台のKです。
昨日、朝6時半に仙台を出て、志津川中学に10時頃着きました。
志津川に入ると、山際さんが書かれていた通りの、町全部が瓦礫と
化していました。何処に何があったのか、全く分からない状況で、
高台に有る学校らしき建物を目指したら、そこは戸倉中学校でした。
もう一つ岬を越えた湾内だと聞いて、また走り、途中Kさんに電話して
道を聞いたのですが、今自分が何処にいるのか、まるで目印が無く、説明
出来ない事に気付きました・・。
日新製薬(株)が提供して下さった風邪薬、栄養剤等と、日常必要と思われる
家庭薬(頭痛薬、便秘薬、正露丸、殺菌消毒用ハイター、カットバン、
白色ワセリン軟膏、冷えピタ等々・・)を買い込んで、あとは野菜
(トマト、菜の花、ほうれん草、キャベツ等々)を積みました。
Kさんが町役場の車を借りてくれて(駐車や物資配布等の活動がスムース
にいくからとのこと)荷物を積み替えて、乗せて頂きました。
行ったのは、歌津地区です。
まずは、歌津地区の世話人のお宅に行き、必要なお薬等を置いていきました。
丁度お昼時で、歌津地区のとあるスペースで炊き出しがあるとの
放送が聞こえ、そこに人が集まるからと連れて行って下さいました。
風邪薬は製薬会社さんからの大量支援でしたので、皆さんに大人3日分
位を差し上げてもまだ余りましたが、私が準備していった他の薬、衛生用品は
皆さん、今まで我慢されていたようで、あっという間に無くなりました。
ひび割れ用にと白色ワセリンを小分けして持っていきましたが、直ぐに
なくなって、Kさんが借りてきてくれたサランラップに包んで分けて
差し上げました。
「数に限りがあるので、皆さん分け合って下さいね」と言うと、箱を開けて
分け合って下さる方もいらっしゃいました。
何が必要ですか?と聞くと、
1位 湿布薬(温湿布、冷湿布、両方)
2位 洗濯用洗剤(私の考えですが、すすぎ1回のものが新製品であります)
3位 カットバン
   冷えピタ
   ノドぬーるスプレー(ヨード剤)
   正露丸    
    という感じで答えが返ってきました。
これからの季節を考えると、
ハイター(塩素系漂白剤・殺菌に使える)
アルコール(食器の使用前に除菌)
蚊取り線香(7月頃から) あせもの薬 などがあると、
食中毒を未然に防げるかなあと考えます。
その後、炊き出しの会場になっていた(恐らく民宿)のお宅に駐車の
お礼に伺ったら(Kさん、Oさんはとても礼儀正しいです)
そこのご主人(総務大臣?から職務を委嘱されている)が毎日のように
開かれる地域の会合に行ってきたと、興奮気味に語られたのですが、
「役場の人間は何にも決められない。いつも100%の回答を出せと
いっても、あやふやなことしか言わない。それも1ヶ月先、2、3ヶ月先
という具合だ。議員さんも亡くなって、話が通じる相手がいない。
もうおれは国に訴える!!!!!!」と怒り心頭でした。
目は充血しているし、眠れていない様だし、話すほどに興奮されて、
体調がとても心配になりました。
持ってきた風邪薬や、ビタミン剤、高級ドリンク剤を置いてきましたが、
後で考えたら、空空元気が出て、プッツンされるのでは・・・と却って
心配になりました。
一緒に行った友人は、親族が石巻で、捜索などで石巻に何度も行っている
のですが、彼女の感想は
「石巻と活気が全然違う。石巻はあっちこっちで重機が動いていたけど
志津川はまだまだ何も始まっていない感じがする。町長さんをテレビで
見たけど、相当疲れている様子で、復旧復興のエネルギーが無いんでないか?」
とのことでした。
その後、役場機能が移転しているという、志津川最大の避難所アリーナに
行ったのですが、そこにKさんが赤ちゃん用オムツを持って行ったので
「こんな大きな所にオムツが不足しているの?」と聞くと
驚くことに
「物資はあっても、もらいにくいとか、もらえない、ような感じらしくて
頼まれました。」とのこと。
個人から受け付けていないから、大規模支援が集まっているはずなのに、
物を出し渋っているとは何事かとそこからは、私と友人は二人の世話人を
質問攻め。
数が全員分無い物は、同じものの数が揃うまで配布せずに貯めておく。
配布の担当者は町役場の職員数人で、すごくもらいづらいシステムになって
おり、もらいに行きにくいらしいです。
あと、志津川病院は閉鎖になり、医師等は解雇になってすでに給与は支給されて
いませんが、有志の医師は無休で診療所で毎日診療しているとのこと。
町の予算を浮かせる為に一日も早く給与が必要な先生方を解雇して、ボランティ
ア (給与の必要がない)の医師らに頼ろうという浅はかな考えとしか思えません。
あと、友人の出身は山形の庄内町なのですが、南三陸町と友好都市なの
だそうです。何度か義援金と支援物資を町から送っているそうなのですが
「支援は足りているからもう必要無い」という事を言われたので、
次回で終了するとのことです。

しかし、自宅避難などの方々には全く行き届いて おらない状況からみると、
足りているのは、物資倉庫に配っていない物が溢れて
いるからそう見えるだけで、必要な人に届けるという工夫と努力が全くなされて
いないのではないかと推察します。
個人の支援が求められているのが何よりの証拠です。
マスメディアや役所の言うことだけで状況判断していたら、本当に餓死する
方が出てきてもおかしくないと思います。
是非、南三陸町の根本問題に切り込んで下さい!
石巻の人が、「志津川は復興は無理だと判断していると聞いた」なんて言う
のを聞きました。なんかやるせません。
長くなりましたが、最後にもう一つ。
Kさんと、Oさん、本当に良くやっておられます。
町役場が、臨時の職員として雇って給料払ってほしい位の貢献度です。
多い日で荷物が30個、60個と届く日もあると聞きました。
そうなると、重労働です。避難民でありながら無償のボランティア・・・。
日当7000円の仕事の話なども(瓦礫の撤去等でしょうか)有ると聞いて
います。
荷物1件につきいくら、とかの有償ボランティアには出来ないでしょうか。
役場の車を厚意で借りていると聞きましたが、有償でやっているとなると
借りられなくなる等難しい問題もでてくるのでしょうか・・・。
子供でも出来るようなあてがわれた仕事をのらりくらりやっている都庁からの
支援派遣職員は給料が満額出ていて、(恐らく出張費等もでているのでしょう)
彼らのように人の為に一生懸命働いている人が将来への不安を抱えながら今の
仕事に見合う報酬もないというのは、本当に不条理を感じます。
これは私の勝手な感想です。
決して彼らが不満を言っていたのではありません。
彼らは受けた恩は返す。と言っていました。
長々と大変失礼いたしました。
写真を添付します。
皆さん、殺到しててんやわんやだったので、Kさんが写真を撮ってくれました
。 物資調達が叶ったらまた行きたいと思っています。
有り難うございました!!






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