山際澄夫のホームページ

◇南三陸町志津川戸倉Hさん(漁師夫人)


○みなさん、こんにちは 、
震災後、食糧から冷蔵庫、水中ポンプまでその節はお世話になりました。
地域の方も随分助けられたと思います本当にありがとうございます。
南三陸町はまだ沢山の瓦礫でいっぱいです、でも少しずつ復旧して仮設商店街も
出来ています。

私どもも、無我夢中で仕事をしてきました。
お陰さまで我が家の「松島丸」もフル回転して思ったよりも頑張ることが出来ました。
12月にはタラ漁も終わり、多くの方が取り組んだワカメもいい値段がついてほっとい
たしました。

ところが、ここにきて急に放射能という見えない敵との戦いが始まりました。
国は食品への放射性物質の暫定基準値を厳しくし、これまでは500ベクレルまでは
出荷制限の必要がなかった魚貝類を4月1日から急に100ベクレルと宣言しました。
なんの根拠があるのか説明もありません。

このため仙台湾で例年行っているコウナゴ漁に出漁出来るかどうか不明です。
仮に漁が始まったとしても「宮城産は買わない」などということにならないでしょうか。
我々漁師は先行投資型の職業であり、船の支払いや、乗組員の給料もあります。
普段元気な主人もテンションがさすがに不安そうで、胸が痛みます。
私も妻として何もしてあげられなくて悩んでいます。
昨晩は電話でいろいろ話しを聞いてくださりありがとうございます。
みなさんによろしくお伝えください。
(3月1日)

※政府は今年4月1日から、食品に含まれる放射性物質の規制値を格段に厳しくします。
例えば食品1キログラムあたり肉、野菜などは現行の5分の1の100ベクレルとされました。
これは科学的根拠が薄弱で、政府部内でも文科省の放射線審議会が非現実的だとして反対
したのを厚労省が押し切ったものです。
この新基準は今年のコメの作付をめぐっても問題となり、結局、除染などを条件に平成
23年産米で100−500ベクレルが検出されて地域であっても、全量検査などを条
件に作付を認めることになった経緯があります。
「放射能の恐怖」に関連しては、福島での「除染」もIAEAなどの国際機関からは
「過剰な対応」とされています。
(3月3日)
※3月4日午後10時、NHKEテレで「海辺の町で生き続ける」が放送されました。
(Hさんのご主人と松島丸が主役でした)


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